2010年9月16日木曜日

デフレと円高の関係

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デフレと円高の関係について

  1. 他国はインフレなのに日本だけデフレだったり、

  2. 他国が貨幣量を増やした時に日本だけ貨幣量を増やさなかったり

  3. 他国で金利が下がったのに日本だけ金利を下げなかったり


すると、「円高」になります。
政策で動かせるのは、

  1. 貨幣量

  2. 金利


の2つで、これらを動かすことで円高を回避できますよーということでひとつ。

貨幣需要(L)と貨幣供給(M)との間には、以下のような関係があります
(LM式)

ここでの文字はそれぞれ、

M:貨幣供給量(マネーサプライ)
P:物価
L(Y,i):貨幣需要 (実質GDPが上がったり、名目金利が下がったりすると上昇)
Y:実質GDP
i:名目金利:(=実質金利+期待インフレ率)

をあらわしています。

また、為替レートが物価の比で決まる(購買力平価)とすると、
e:海外通貨1単位あたりの為替レート(低いほど通貨高)


とあらわせます。添え字の*はそれが他国の数値(P*は他国の物価)であることを表しています。
この式を変形し、LM式を代入すると、以下のようになります。


以上の式から、
他国はインフレなのに日本だけデフレだったり(P/P*低下)
他国で金利が下がったのに日本だけ金利を下げなかったり(L*/L低下)
他国が貨幣量を増やした際、日本だけ貨幣量を増やさなかったり(M/M*低下)
すると、為替レートeが低下(「円高」となる=他国通貨に対して増価する)といえるわけです。

また、今(ゼロ金利)の状況だと、
日本が貨幣量を増やせば(M上がる->P上がって)円安になるよね、ということもいえるわけです。

参考
橋本 優子,小川 英治, 熊本 方雄『国際金融論をつかむ』有斐閣,2007

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