2011年9月3日土曜日

[図][追記あり]日本銀行BS推移(震災前後、資産・負債)~2011/08/31

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資産



負債


追記

上の図を見ると、以下の池尾氏のTweet事実誤認であることがわかります。

池尾和人氏曰く:

今年の3月以降のベースマネーの伸び率って、結構高いよね。準備預金が膨らんでいる。にもかかわらず、「世界中で日銀だけがマネタリーベースを下げ続けている」というデマを堂々と主張していた人もいたけど。RT マネタリーベース(8月) http://t.co/QeRyRPUless than a minute ago via Tween Favorite Retweet Reply



まず、「ベースマネー」という言葉ですが、これは
  • 「日本銀行券(いわゆるお札。日銀は負債として計上)の発行高」
  • 「日本銀行の当座預金(これも日銀は負債として計上)」の残高
  • 世の中に出回っている「通貨の流通高」
を足した物です。別の呼び方としては、「ハイパワードマネー」「マネタリーベース」ともいいます。
上の池尾氏のTweetは、そのベースマネーの「伸び率が結構高い」という主張です。

しかし、これは事実ではないのです。

というのも、上のtweetで示されている日銀の資料(pdf)は「前年比伸び率」であり、「3月以降の変化」を示しているわけではありません実際には、上の「負債」の図を見ると分かるとおり、発行銀行券は横ばい、当座預金(準備預金もここに入る)は3/31がピークになっており、以降は上下動しながら徐々に減少、となっています(8/10でバランスシートが9兆ほど大きくなっていますが、発行銀行券・当座預金の動きは変わらず)。

さらに日銀のサイトにて通貨流通高をプロットすると、通貨流通高も3月以降、大きな増加はないことがわかります。

マネタリーベース(うち通貨流通高)


ここでもう一度日銀の負債の図を。


…3月以降、発行銀行券も、当座預金も、通貨流通高も増えていません。つまり、"ベースマネーの伸び率が結構高い"とは言えないのです


※データ:
日本銀行『営業每旬報告』( Google Docs )

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